ダルモンワールド
ダルモンたちは、疲れた人のそばに憑いているあいだ以外、それぞれの土地で暮らしています。 どの土地に棲むかを決めるのは、疲れ方ではなく回復のしかたです。 ひとりで回復するか誰かと回復するか、足して回復するか抜いて回復するか。 この2つの組み合わせで、4つの土地に分かれます。
だから、同じ土地の住人どうしは同時に回復できます。逆に土地が違うと、 よかれと思って差し出したものが、相手にはまったく効きません。 相性の話がややこしくなるのは、たいていこの土地の違いが原因です。
おふとん洞窟
光も音も届かない、いちばん奥まった場所。
山のふもとに口を開けた、やわらかい洞窟。奥へ進むほど毛布が厚く敷きつめられ、音も光も吸い込まれていきます。ここに棲むダルモンたちは、誰にも見つからないことで回復します。洞窟の入口には通知の届かない結界が張られていて、外の予定はここまで追いかけてきません。住人どうしが顔を合わせることもほとんどなく、それでいて孤独ではない。「今日は誰とも話さなかった」が、ここでは最高の一日として数えられます。
住人:こもり族/ひとりで、抜いて回復する
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ごほうび山
登った分だけ、自分に何かを差し出す山。
ふもとから頂上まで、甘いものと小さな贅沢が点々と置かれた山。「ここまで来たんだから」と理由をつけて、ダルモンたちは何かを自分に手渡します。プリンの湧く泉、パックの咲く花畑、深夜だけ開く売店。この山の掟はひとつだけで、誰かに褒められてから受け取るのではなく、先に受け取ってよいこと。頂上に何があるのかは、実は誰も知りません。みんな途中で満足してしまうからです。
住人:ごほうび族/ひとりで、足して回復する
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わいわい坂
人といた分だけ、元気が増えていく坂。
灯りの絶えない、坂の多い通り。ここに棲むダルモンたちは、静かに休むより、出しきったほうが翌日が軽くなる体質をしています。歌う、しゃべる、笑う、予定を入れる。減った分を人からもらい、もらった分をまた人に返す。坂の途中にある時計は、文字盤の代わりに「まだ大丈夫」とだけ表示されます。早い時間に集まる者も、遅くまで残る者もいて、どちらもこの坂の住人です。
住人:わいわい族/だれかと、足して回復する
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ちるちる野原
だれかと並んで、何も話さないための場所。
見わたすかぎり草と風だけの、なだらかな野原。ここに来るダルモンたちは、ひとりだと寂しく、大人数だと削られます。だから隣に一匹だけ座らせて、あとは黙って同じ方向を見ている。焚き火の跡がそこかしこにあり、どれも二匹分の座った跡が残っています。この野原でいちばん歓迎されるのは、話しかけてこない客です。
住人:まったり族/だれかと、抜いて回復する
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